2014061901

  新緑も濃い緑に移ろっていき、夏も盛りになってきましたね。
自然界は地球が太陽の周りを巡って季節を生じさせていることを
当然のように受け止め、当然のように季節に合わせた振舞いをしています。
そこには知性とは別の、でも知性以上の深淵な働きがあるのかもしれません。

人間もまた、知性以上の 『感じとる力』 があります。
使わずにいるので眠っていることが多いのですが、地震の前に何かを
感じるのはナマズだけではありませんし、虫の知らせや第六感と呼ばれる
霊的な感覚をキャッチすることもあります。
今まではそれを、偶然といったり、科学で測れないから流して無視したり
してきました。また知性などの理性が感情を押し殺したり、逆に感情に
呑み込まれたりする自分の内側の出来事を、ぼんやりとしか見てこなかった
かもしれません。

本当に目を開ける、耳を澄ます、心を開く、それがどんな感じなのか
幼いころは、みんな分かっていたことです。なので、五感を超えた感覚を
目覚めさせるとも言えますが、回復させる、がより近い感じです。
エネルギーを回復させるために、まず五感を超えた【ありのまま】の感覚を
回復させること。
外出する機会が増える季節、そんなときにお伝えしたい、一指 李承憲氏のメッセージです。

  花や石ころとの一体感
 
2014061902

 森や野原に出かけたら、周囲から聴こえてくる音に耳を傾けることです。
「聴く」耳ではなく、「聴こえる」耳で聴いてみるのです。また、「見る」目ではなく、「見える」目でご覧ください。見ようとして見たり、聴こうとして聴くことは、観念的に見聴きすることです。ただ、感じるがままに自然を感じとってみるのです。
 鳥の声が聴こえたら、そっと耳を傾けてみることです。その音は波長です。開かれた耳で受け入れれば、その波長は私たちの中に深く入ってきます。しかし、内なる耳を閉じてしまうと、波長は単なる波長でしかなくなります。
 私自身もまた、地球の身体と心とエネルギーを感じとれず無知だったころは、鳥の声を聴いていてもただの鳥の声にすぎませんでした。でも、いまは鳥の声を聴きながら、「あの鳥の心臓はうまく機能しているか?」 「あの鳥の体温は、どうか?」などと、しっかり感じとっています。すると、私には鳥の体温が感じられます。
 鳥のハートが熱くなければ、鳥はさえずれません。鳥のハートを熱くするのは何でしょうか? 私は鳥のさえずりを通じて無数の生命のさえずりを聴きます。鳥の声から太陽を感じることができます。太陽のさえずる音を聴くのです。鳥の鳴き声の中に太陽があり、月があり、空気があり、あらゆる生命があります。鳥の声とともに太陽との対話が可能ですし、月や星とも対話できます。
 閉じられた目で見ればただの鳥ですが、開かれた目で見れば鳥が太陽であり、月で、星なのです。その中で私たちは地球を見ることができ、われわれ自身を見ることが可能です。
 
 開かれた目で眺めれば、空気と自分との関係、樹木と自分との関係、花と自分との関係、大地と自分との関係、地球と自分との関係がつながりはじめます。
 心を開けば開くほど、だんだん私たちと自然との境界が消えていきます。私たちの身体と地球の身体が一つになります。私たちは地球という大きな生命の中で一つにつながっています。生命を感じとれる感覚が甦れば、つま先に引っかかる石ころさえ愛らしく、乾いた地面に転がる木の葉の一枚とてぞんざいにできません。

『セドナの夢』 (三五館) 一指 李承憲 氏  より


2014061903


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